領収書の但し書き一覧|書き方と記入例・「お品代」を避ける理由
領収書の但し書きは「お品代」ではなく、書籍代・会議飲食代など何の代金か分かる言葉で書きます。用途別の一覧と記入例、インボイス(適格簡易請求書)の記載事項、印紙税の5万円のラインまで整理しました。
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「お品代」は禁止ではありません。ただ、何の代金か読み取れないと、経費の科目分けでもインボイスの記載事項でも扱いにくい 1 枚になります。
この記事でわかること
- 用途別の但し書きの書き方一覧(飲食・書籍・交通費など10パターン)
- 「お品代」が避けられがちな理由と、禁止ではないこと
- 領収書が「適格簡易請求書」を兼ねるときの記載事項5項目
- 印紙税の5万円のラインと、クレジット払い・PDF発行の扱い
領収書の但し書きは「何の代金か」が分かる言葉で書く【用途別一覧】
但し書きは、何の代金なのかが、あとから見て一目で分かる具体的な言葉で書きます。書く場所は、金額欄の下にある「但し」に続く欄です。
よくある支払いの場面ごとに、そのまま使える書き方を一覧にしました。
| 用途 | 但し書きの例 | ポイント |
|---|---|---|
| 打合せ・会議での飲食 | 会議飲食代として/打合せ飲食代として | 「お茶代」より具体的に。人数・相手先は領収書ではなく別途メモで管理するのが一般的 |
| 書籍・新聞・資料 | 書籍代(業務用)として/資料代として | 私的な購入と区別できるよう「業務用」を添えると分かりやすい |
| 文房具・事務用品 | 文房具代として/事務用品代として | 品目が多いときは内訳やレシートを添えるとより丁寧 |
| 消耗品・雑貨 | 消耗品代として | 何の消耗品か(例: 梱包資材代)まで書けるとなお良い |
| 電車・タクシー等の交通費 | 交通費(◯◯まで)として | 目的地や用務が分かる形にしておくと経費精算がスムーズ |
| 贈答品・お祝い | 贈答品代として/お祝い品代として | 接待交際費に該当することが多く、通常の経費と分けて管理されがちな費目 |
| 修理・メンテナンス | 修理費(パソコン修理)として | 対象物を添えると具体性が増す |
| 制作・業務委託 | ホームページ制作代として/デザイン制作代として | 案件名や対象月(◯月分)を添えると、複数案件と混同しない |
| コンサルティング・顧問料 | コンサルティング料(◯月分)として | 対象月や契約名を添えると、複数月分と混同しない |
| 会費・年会費 | 年会費(◯◯協会)として | 何の会費かを明記する |
この一覧はよく使われる代表例です。経費の科目区分(消耗品費にするか雑費にするかなど)は事業ごとの経理方針で異なるため、自分の会計処理に合わせて言葉を調整してください。
請求書を出したあとの入金に対して、領収書を求められることもあります。その場合は「ホームページ制作代(◯月分)として」のように、但し書きを請求書の品目と揃えてください。
請求書の側に但し書きの欄が無いのはなぜかは請求書の但し書きは必要?で扱っています。
なぜ「お品代」は避けたほうがいいのか
「お品代」は、何の代金かが領収書から読み取れない表現だからです。但し書きは、本来「何にいくら使ったか」をあとから確認するための記録です。
「お品代」は購入した物やサービスの中身を示していないため、次の3つの場面で不都合が出やすくなります。
- 経費精算・帳簿づけの場面: 何の代金か分からないと経費の科目(消耗品費・交際費など)に振り分けられず、あとから本人に確認する手間が発生します
- 税務調査など、あとから取引内容を確認される場面: 具体的な記載がないと、実際に何を購入したのか説明を求められることがあります
- インボイス制度の記載事項の場面: 領収書が適格簡易請求書として扱われる場合、取引の内容は記載事項の一つで、「お品代」では満たしていないと判断される可能性があります
受け取った領収書が「お品代」のままでも、経費にできないと決まるわけではありません。ただ、具体的に書ける場面で、あえて曖昧にする理由もありません。
上の一覧のように購入したものが分かる言葉へ置き換えるほうが、書く側・もらう側のどちらにとっても扱いやすい1枚になります。では、インボイス制度のもとで、但し書きはどの記載事項にあたるのでしょうか。
インボイス制度では領収書が「適格簡易請求書」を兼ねる
小売業や飲食店業のように不特定多数の相手と取引する事業では、宛名を省略した「適格簡易請求書」として領収書やレシートを交付できます。インボイス発行事業者として登録していることが前提です。
このとき、但し書きは記載事項のうち「取引の内容」を兼ねます。適格簡易請求書の記載事項は次の5項目です(国税庁 インボイス制度 Q&A 問 58・令和 5 年 10 月改訂・2026-08-26 確認)。
- 適格請求書発行事業者の氏名または名称と、登録番号
- 課税資産の譲渡等を行った年月日
- 課税資産の譲渡等に係る資産または役務の内容
- 税抜価額または税込価額を税率ごとに区分して合計した金額
- 税率ごとに区分した消費税額等、または適用税率
例えば、打合せで使った喫茶店のレシートに、店名と登録番号・日付・「飲食代」・税込金額・税率が印字されていれば、それだけで上の5項目がそろいます。3つ目の「資産または役務の内容」が、領収書では但し書きにあたる部分です。
「お品代」のように中身を示さない表現では、この記載を満たしていないと判断される可能性があります。受け取った側が仕入税額控除の書類として使えるかどうかに関わる部分です。
宛名を書いた通常の領収書を適格請求書(6項目)として扱う場合も、考え方は同じです。取引内容の記載は必要とされています(国税庁 タックスアンサー No.6625・2026-08-26 確認)。
適格簡易請求書を交付できる事業の範囲や、自分の取引がどちらの様式にあたるかは、取引の形態による個別の当てはめになります。判断がつかなければ、国税庁の案内や税務署で確認してください。
インボイス発行事業者として登録していない場合は、そもそも登録番号の欄を置かない領収書になります。登録番号のない書類での消費税の書き方は免税事業者の請求書の書き方と同じ整理です。
領収書の書き方と但し書きの記入例【図解】
手書きやフォーマット入力で領収書を作るときは、発行日・宛名・金額・但し書き・内訳・発行者の6つの欄を埋めれば形になります。記入例では、但し書きに「但し、ホームページ制作代として」と書いています。
市販の用紙のように「但し」が印字済みのフォーマットなら、「ホームページ制作代として」から書き始めれば同じ形です。
発行日は金銭を受け取った日、宛名は「株式会社◯◯ 御中」と略さない正式名称で書きます。登録している場合は、発行者欄に「T」から始まる 13 桁の登録番号を添えます。内訳は税抜金額48,000円と消費税額(10%)4,800円に分け、金額は税込の52,800円です。
内訳を税抜と消費税に分けて書くのは、見た目の丁寧さのためではありません。税率ごとに区分した金額と消費税額等はインボイスの記載事項であり、印紙税の判定にも関わります。
発行者の欄は屋号だけで止めず、氏名まで書いておくと受け取った側が発行元を特定しやすくなります。個人事業主の発行者欄の考え方は個人事業主の請求書の書き方ガイドと共通です。
請求の直後に領収書まで済ませたい場合、スイスイ請求(登録不要・無料で請求書・見積書を作れるアプリ)なら、同じ内容の請求書を領収書に変換して但し書きだけ入れ直せます。登録不要で使い始める流れは請求書を無料・登録不要で作成する方法にまとめています。
登録ゼロ・開いて 1 分、今日の 1 枚がもう出せる。メールアドレスもアカウント作成も要りません。ブラウザで開いて、そのまま作成・PDF 保存。登録不要で領収書を作る →毎月 10 件まで無料・勝手に有料にはなりません48,000円という金額は、説明のために置いた数字です。手書き・市販の複写式用紙・パソコンのどれで作るかで変わる手順は領収書の書き方に、記入例の「内訳」と「収入印紙」の行が何を意味するのかは次に整理します。
印紙税の5万円ライン — 内訳の区分記載・クレジット払い・PDF発行で変わる
紙で発行する領収書は、印紙税の課税文書(第17号文書)にあたります。売上代金の受取書では、記載金額が5万円未満なら非課税、5万円以上100万円以下なら200円の収入印紙が必要とされています(国税庁 タックスアンサー No.7105・2026-08-26 確認)。
ここで効いてくるのが、記入例の「内訳」の行です。課税事業者が消費税額等を区分記載した場合は、消費税額等を印紙税の記載金額に含めないこととされています(国税庁 タックスアンサー No.7124・2026-08-26 確認)。
税込の合計だけを書くと記載金額はその額のままで、免税事業者は区分記載してもその分を含めるとされています(前掲 No.7124)。記載金額の設例と判定の分かれ目は領収書の収入印紙はいくらからにあります。
クレジットカード払いの領収書は、金銭の受領事実がないため、その旨を記載していれば表題が「領収書」でも第17号の1文書には該当せず、印紙は不要とされています。
逆に、クレジットカード利用である旨を記載しないと、課税文書に該当します。但し書きの近くや備考に「クレジットカード利用」と書き添えてください(国税庁 質疑応答事例「クレジット販売の場合の領収書」・2026-08-26 確認)。
PDFなどの電子データのまま交付する領収書は、印紙税の課税対象となる「文書」に含まれないと整理されています(国税庁 質疑応答事例「取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い」・2026-08-26 確認。照会事例は注文請書です)。電子で送ったあとに紙の正本を渡す場合の扱いは、前掲の収入印紙の記事で整理しています。
事業と関係なく個人が発行する私的な受取書も、「営業に関しない受取書」として非課税とされています(前掲 No.7105)。印紙の要否は文書の書き方と取引の実態で変わるため、迷う場合は所轄の税務署に確認してください。
書く側の実務ポイント
発行する側で悩みやすい場面を、4つ整理しました。いずれも、冒頭の一覧の定型と記入例の6つの欄を土台にすれば対応できます。
但し書きの欄が狭いとき
市販の複写式領収書などでは、但し書きの記入欄が狭く、長い説明を書ききれないことがあります。その場合は「◯◯代として」の短い定型に置き換えてください。
具体性は品目の言葉で保ち、補足したい情報(案件名・対象月など)はかっこ書きで最小限に添えます。例えば「Webサイト保守料(8月分)として」なら15字前後に収まり、内容の特定と短さを両立できます。
複数の品目をまとめて発行するとき
1枚の領収書に複数の品目が混ざる場合は、代表的な区分でまとめて書くか、内訳を別紙やレシートで補足するのが一般的です。「文房具・消耗品代として」のように、まとめた区分が分かる書き方にしておくと、あとから見返しても内容を追えます。
書き間違えた・書き忘れたとき
発行済みの領収書の但し書きが誤っていた、あるいは空欄のままだった場合は、二重線と訂正印で直すか、再発行するのが一般的な対応です。訂正印は発行者の印で押すもので、受け取った側が直すことはできません。
金額欄に関わる誤りや、相手の経理処理に影響する修正は、書き直しよりも再発行のほうが後々の食い違いを避けられます。
インボイス発行事業者として出すとき
登録している場合は、登録番号の記載とあわせて、但し書きを含む取引内容が具体的に読み取れる形にしておきます。手書きの領収書に印を押す運用なら、角印を無料でオンライン作成する方法で紹介しているように、データで作った角印をPDFに載せる方法もあります。
もらう側の対応 — 書き直しの依頼・補完・保存
「お品代」と書かれた領収書を受け取ったら、まずは発行者に具体的な内容への書き直しを依頼するのが基本です。あわせて、宛名・日付・金額が正しいかもその場で確認しておくと、依頼の往復を1回で済ませられます。
レジでの発行など、その場で書き直しが難しい場面もあります。品目が印字されたレシートを一緒に保管する、用途のメモを別紙や経費精算の摘要欄に残すといった方法で補完しておくと、帳簿づけのときに迷いません。
受け取った側が但し書きを書き換えることは、発行者が作った記録を変えることになるため避けてください。
受け取った領収書は事業の帳簿書類として保存することになり、メールやWebで受け取ったPDFの扱いには電子帳簿保存法が関わります。紙と電子の保存の分け方は電子帳簿保存法での請求書の保存方法にまとめています。
立て替えた経費を取引先に請求するときに、領収書を添えて出す手順は立て替え経費の請求書の書き方を参照してください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 「お品代」と書かれた領収書は経費にできませんか?
「お品代」だから一律に経費として認められない、というものではありません。ただ、取引内容が分からないと、科目の振り分けやインボイスの記載事項の面で不都合が生じやすくなります。
可能であれば具体的な但し書きへの書き直しを依頼し、難しければ用途のメモやレシートで補完しておくのが安心です。
Q2. レシートと手書きの領収書で、但し書きの扱いは違いますか?
レシートは品目が自動で印字されるため、多くの場合そのままで取引内容の記載を満たします。インボイス制度のQ&Aでも、記載事項を満たしたレシートが適格簡易請求書の例として示されています(前掲 問 58)。
手書きの領収書は但し書き欄に自分で書く必要があるため、本記事の一覧を参考にしてください。感熱紙のレシートは印字が薄くなりやすいので、長く保存するものはスキャンや撮影で控えを残しておくと安心です。
Q3. 請求書を出した取引で領収書を求められたら、但し書きはどう書きますか?
請求書の品目と揃えます。「ホームページ制作代(◯月分)として」のように、どの請求に対する入金かが読める形にしてください(協賛金など受け取る側の例は協賛金の請求書の書き方の FAQ にあります)。
請求書と領収書を突き合わせやすくなります。振込で支払われた場合は振込の記録が残るため、領収書自体を求められないこともあります。
まとめ: 次にやること
- 手元の領収書・レシートの但し書きが「お品代」のままになっていないか確認する
- 発行する側なら、一覧から自分の取引に合う「◯◯代として」の定型を決めておく
- 5万円を超える領収書を紙で出す機会があるなら、税抜金額と消費税額の区分記載を習慣にする
但し書きは、定型を 1 つ決めてしまえば毎回考えずに済みます。面倒が残るのは、領収書の 6 つの欄を請求書と突き合わせながら埋め直す部分です。
請求書と領収書を同じデータから作れれば、突き合わせという作業自体が発生しません。請求書から領収書への変換に対応しているのがスイスイ請求で、登録もインストールも要りません。
但し書き入りの領収書も、登録不要で開いて 1 分。「◯◯代として」を入れて PDF 保存。請求書からの変換にも対応しています。登録不要で領収書を作る →毎月 10 件まで無料・勝手に有料にはなりません
※ 本記事は一般的な情報の提供を目的としており、税務・法務に関する助言ではありません。但し書きの表現や経費の科目区分、収入印紙の要否、インボイスの記載の個別の判定は、国税庁の案内や所轄の税務署・税理士等の専門家にご確認ください。
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