領収書の書き方|手書き・市販用紙・PDFの3通りと記入例

領収書は手書き・市販の用紙・パソコンの3通りのどれで作っても構いません。33,000円の記入例で6つの欄の埋め方を示し、金額の改ざんを防ぐ書き方と、控えを残して渡すまでの手順を整理します。

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領収書の書き方|手書き・市販用紙・PDFの3通りと記入例

領収書の様式を定めた条文はありません。手書きでも、市販の複写式用紙でも、パソコンで作って PDF で渡しても構いません。

この記事の前提(一次情報)

  • 消費税法 57 条の 4 が定めているのは書類に書く中身と、その渡し方・残し方で、様式や作り方の指定はありません(e-Gov 消費税法 57 条の 4)
  • 適格請求書発行事業者は「交付に代えて…電磁的記録…を提供することができる」と定められています(同 第 5 項)
  • 交付した側には「これらの書類の写し又は当該電磁的記録を保存しなければならない」義務があります(同 第 6 項)
  • 領収書は、記載金額が 5 万円未満なら印紙税が非課税です(国税庁 タックスアンサー No.7105)

領収書の記入例(税抜30,000円・消費税3,000円の1枚)⁠

税抜 30,000 円の代金を受け取ったなら、税込 33,000 円の領収書が 1 枚できあがります。次の図にある 6 つの欄が埋まっていれば、1 枚として成立します。

領収書の記入例。発行日・宛名・金額¥33,000-・但し書き「但し、ロゴデザイン制作代として」・内訳(税抜30,000円と消費税3,000円)・発行者の6欄と、5万円未満で不要の収入印紙欄

30,000 円とロゴデザイン制作代は、説明のために置いた例です。金額や品目が変わっても、欄の並びまでは変わりません。

図の一番下にある収入印紙の欄は、この 1 枚では空欄のままです。売上代金の受取書は、記載金額が 5 万円未満なら非課税とされています(国税庁 タックスアンサー No.7105〔令和8年4月1日現在法令等〕・2026-09-11 確認)。

受け取ったのが現金でも振込でも、書く欄はこの 6 つです。振込に対して出す 1 枚なら、但し書きに対象の月や案件名を添えると請求書と対応づけられます。

領収書に書く6つの欄⁠

6 つの欄は、手書きでも市販の用紙でもパソコンでも同じです。作る道具を変えたからといって、書く欄が増えたり減ったりすることはありません。

  • 発行日: 代金を受け取った日を書きます。請求書に書いた発行日とは別の日になるのが普通です
  • 宛名: 会社なら正式名称に「御中」、個人なら氏名に「様」を付けます。略称や通称は使いません
  • 金額: 受け取った税込の金額を書きます。書き方の作法は次の見出しで扱います
  • 但し書き: 「但し、◯◯代として」の形で、何の代金かが読める言葉を入れます。用途別の言い換えは領収書の但し書き一覧にあります
  • 内訳: 税抜金額と消費税額を分けて書きます。記入例では 30,000 円と 3,000 円です
  • 発行者: 屋号・氏名・住所を並べます。屋号がない場合の書き方は個人事業主の請求書の書き方ガイドの FAQ で触れています

インボイスの登録を受けているなら、発行者の欄に登録番号も並べて書きます。登録していないなら、その欄そのものを置きません。

市販の用紙には「但し」や「内訳」が印字済みのものが多くあります。項目名が印字されている分、書き忘れに気づきやすくなります。

6 つのうち書き間違いが響くのは、金額と発行日です。どちらも受け取った事実そのもので、相手側の帳簿の日付にも関わります。

金額の書き方 — ¥と金、3桁カンマ、末尾の「-」⁠

金額は「¥33,000-」か「金33,000円也」の形で、数字の前後に余白を残さずに書きます。数字の前後が空いていると、あとから桁や数字を書き足せてしまうからです。

先頭の「¥」や「金」は、書き足しによる改ざんを防ぐための蓋にあたります。末尾の「-」や「也」も同じ役割で、数字の終わりをその場で閉じます。

3 桁ごとのカンマは、桁を読み違えないための区切りです。カンマがないと「330000」と「33000」の見分けに一拍かかります。

「¥33,000-」と「金33,000円也」は、どちらを選んでも構いません。1 冊の綴りの中では途中で形を変えないほうが、あとから見返しやすくなります。

消費税の内訳を書く欄が別にあるなら、金額欄は税込のままにします。内訳の欄で税抜 30,000 円と消費税 3,000 円に分けて書きます。

パソコンで作るときは、金額欄に「¥」と「-」が入る設定になっているかを一度見ておきます。

欄と金額の作法は、3 通りに共通です。違いが出るのは、作る手順と控えの残り方のほうです。

手書き・市販の複写式用紙・パソコンの3通りで、何が変わるか⁠

変わるのは控えの残り方と訂正の仕方で、埋める 6 つの欄はどれで作っても同じです。作り方は大きく 3 通りに分けられます。

作り方向く場面控えの残り方
手書き(白紙・市販の単票)その場で 1 枚だけ渡す手で写すか複写でないと残らない
市販の複写式用紙対面で毎回渡す・レジ横複写が冊子に残る
パソコン(PDF・印刷)メールで渡す・請求書から作るデータが残り、印刷も PDF も出せる

手書きは、白紙や単票の用紙に 1 枚だけ書く方法です。渡した 1 枚がそのまま手元から消えるので、控えを残すなら同じ内容をもう一度書き写すことになります。

書く順番は、受け取った金額をその場で数えてから、6 つの欄を上から埋めていく形です。控えが要るなら、相手に渡す前に書き写しまで済ませます。

市販の複写式用紙は、書いた時点で下の紙に複写が残ります。書き損じたときは二重線と訂正印で直すか、その 1 組を破棄して次の紙に書き直す形です。

綴りごと保管しておけば、控えは日付順に並びます。冊子が変わるときに効くのが、通し番号を前の冊子から続けておく手当てです。

パソコンで作る場合は、入力した内容がそのままデータとして残ります。印刷して手渡すこともできますし、PDF にしてメールで送ることもできます。

メールで送れるのは、パソコンで作ってデータのまま渡すときです。紙に書いた 1 枚を撮って送っても、原本は手元に残ったままになります。

訂正の仕方も 3 通りで変わります。手書きと複写式は二重線と訂正印、パソコンなら入力を直して出し直すほうが早道です。

どれを選ぶかは、渡す相手と頻度で決まります。対面で毎日渡すなら複写式、月に数枚をメールで送るならパソコンが合います。

1 つに絞らず、同じ事業の中で使い分けても構いません。店頭では複写式、請求書を出した取引ではパソコン、という分け方もできます。

表の 3 列目だけを縦に読むと、3 通りの差が控えの残り方に寄っているのが見えます。

3 通り目のパソコン作成は、スイスイ請求(登録不要・無料で請求書・見積書を作れるアプリ)でも同じ内容を入力して 1 枚にします。PDF 保存か印刷かを選べて、控えはデータのまま手元に残ります。

どの作り方でも埋める欄は同じで、道具を変えても記載事項が増えたり減ったりすることはありません。パソコンで作ったこと自体が、書類の効力を強めるわけではありません。

登録ゼロ・開いて 1 分、今日の 1 枚がもう出せる。メールアドレスもアカウント作成も要りません。ブラウザで開いて、そのまま作成・PDF 保存。登録不要で請求書を作る →毎月 10 件まで無料・勝手に有料にはなりません

パソコンで作ってPDFで渡してよいのか — インボイスと印紙は別の話⁠

適格請求書発行事業者は、書類の交付に代えて電磁的記録を提供できるとされています。消費税法 57 条の 4 第 5 項は、適格請求書・適格簡易請求書・適格返還請求書について、記載すべき事項に係る電磁的記録の提供を認めています(e-Gov 消費税法・2026-09-11 確認)。

この項の名宛人は適格請求書発行事業者です。登録していない人が PDF で渡す根拠になる条文ではないので、そこは切り分けておきます。

登録番号を持たないまま出す場合は、免税事業者の請求書の書き方が同じ考え方です。登録番号の欄を置かないだけで、6 つの欄は変わりません。

登録を受けている事業者が、小売業その他の政令で定める事業に係る取引について交付するときは、適格請求書に代えて「適格簡易請求書」を交付できるとされています(同 第 2 項)。登録していないなら、この様式の話も出てきません。

どの事業が該当するかは政令で決まっていて、自分の取引がどちらの様式にあたるか判断がつかなければ、所轄の税務署で確認してください。適格簡易請求書の記載事項は領収書の但し書き一覧に整理してあります。

印紙が関係するのは、紙で渡すときとされています。PDF のまま渡す場合の扱いと 5 万円の判定は領収書の収入印紙はいくらからで扱っています。

PDF で渡せるとして、請求書との使い分けはどうなるのでしょうか。

請求書と領収書の違い、両方出すのか⁠

請求書は支払いを求める書類で、領収書は受け取った事実を証明する書類です。同じ取引で 2 枚とも出す場面は珍しくありません。

請求書は入金の前に、領収書は入金のあとに出します。順番が決まっているので、1 つの取引で両方を出しても二重請求にはなりません。

振込で支払われたなら、通帳やアプリに記録が残ります。そのため領収書を出さずに終わることもあり、求められたときに出せば足ります。

現金や商品券で直接受け取ったときは、支払った側に記録が残りません。領収書を求められる場面の中心はここで、その場で 1 枚書くことになります。

請求書を出していない取引でも、領収書だけを出すことはできます。その場合は但し書きに取引の中身を書き、金額の根拠が読めるようにしておきます。

請求書の品目と領収書の但し書きを揃えておくと、あとから 2 枚を並べたときに迷いません。請求書の側でどこに登録番号を書くかは請求書の書き方の記入例で確かめられます。

控えの残し方と、渡したあとの直し方⁠

渡して終わりではなく、写しかデータのどちらかが手元に残っている必要があります。適格請求書発行事業者にこの保存を求めているのが、消費税法 57 条の 4 第 6 項です(前掲 e-Gov 消費税法)。

何年残すかは、法人か個人か、どの書類かで変わります。年数の違いは電子帳簿保存法での請求書の保存方法で確認できます。

では、受け取った側はどうでしょうか。仕入税額控除のために保存する帳簿と請求書等は、受領した日の属する課税期間の末日の翌日から 2 か月を経過した日から 7 年間とされています(国税庁 タックスアンサー No.6625〔令和7年4月1日現在法令等〕・2026-09-11 確認)。6 年目と 7 年目は、帳簿か請求書等のどちらか一方で足りるとされています(同)。

手書きで渡した 1 枚は、控えを残す操作が別に要ります。

置き場所は、紙なら綴りごと 1 か所、データなら年ごとのフォルダに寄せます。渡した順に並んでいれば、あとで聞かれたときにすぐ取り出せます。

渡したあとに間違いが見つかったときは、二重線と訂正印で直すか、書き直して出し直します。訂正や再発行に動けるのは発行した側です。

金額の誤りは、相手の帳簿にも影響します。この場合は直すより、出し直したうえで元の 1 枚を返してもらうほうが食い違いが残りません。

よくある質問⁠

Q1. 宛名は「上様」と書いてもいいですか?⁠

「上様」と書かれた領収書が一律に無効になる、というものではありません。ただ、誰に渡した 1 枚かが読み取れる形のほうが、受け取った側の処理は進みます。

その場で正式名称を聞いて書くのが確実です。聞けない場面では、但し書きで取引の中身が分かるようにしておきます。

Q2. 発行する側として、レジのレシートを渡すだけで足りますか?⁠

品目と金額が印字されたレシートで足りる場面はあります。相手が手書きの領収書も欲しいと言った場合は、同じ取引で 2 枚渡さないよう、どちらか 1 枚にします。

レシートを渡したあとに領収書を求められたら、レシートを回収してから書くと、同じ取引で 2 枚が残りません。

Q3. 手書きの領収書に印鑑は要りますか?⁠

押印は、領収書の記載事項として条文に挙がっているものではありません。慣行として押す場面は多いので、相手の求めに合わせるのが実務的です。

押印を求められる相手には、角印を無料でオンライン作成する方法で作った印影を PDF に載せる手もあります。

Q4. 同じ取引で請求書と領収書を出すとき、番号はどう付けますか?⁠

請求書の番号をそのまま引き継ぐか、末尾に記号を足す形が分かりやすい付け方です。どちらでも構いませんが、1 年を通して同じ付け方に揃えます。

番号がなくても領収書は成立します。控えを並べたときに探しやすくするための工夫です。

まとめ: 次にやること⁠

  1. 手書き・市販の複写式用紙・パソコンから、自分の作り方を 1 つ決める
  2. 但し書きの定型を「但し、◯◯代として」の形で決めておく
  3. 控えをどこに残すかを、1 枚目を書く前に決める

6 つの欄と金額の作法は 3 通りとも同じで、選ぶのは控えの残し方だけです。

手間が残るのは、渡した 1 枚と同じ内容を控えとして手元にもう一度残すところです。

複写式の用紙を綴じて置く、表計算で台帳を作る、帳票アプリで作る、といった選び方があります。

請求書を出した取引で入金後に頼まれた 1 枚は、スイスイ請求なら同じ内容から領収書に変換して作れます。登録が要る無料プランとの違いは、請求書を無料・登録不要で作成する方法が 4 つの確認点とあわせて扱っています。


入金後の領収書も、登録不要で開いて 1 分。6 つの欄を埋めて PDF 保存か印刷。請求書を出した取引なら変換で作れます。登録不要で請求書を作る →毎月 10 件まで無料・勝手に有料にはなりませんスイスイ請求の請求書作成画面

※ 本記事は一般的な情報の提供を目的としており、税務・法務に関する助言ではありません。領収書の記載や収入印紙の要否など、個別の課否・要否は所轄の税務署・税理士等の専門家にご確認ください。

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