一人親方の請求書の書き方|人工代の数え方と材料費の記入例

一人親方の請求書は、人工代を単価×人工数で書き、半日は0.5人工のように取り決めどおりの小数にします。材料費や駐車場代は人工代と別の行に分け、注文書の単価と数え方に合わせる記入例をまとめました。

公開日:  約 7 分で読めます

一人親方の請求書の書き方|人工代の数え方と材料費の記入例

一人親方の請求書の書き方で、食い違いが起きやすいのは金額の計算より人工代の数量です。人工数は稼働した日数で数えて単価を掛け、半日は取り決めがあれば 0.5 人工のような小数にし、材料費や駐車場代は人工代と別の行に立てます。

この記事でわかること

  • 建設業法 19 条 1 項によると、建設工事の請負契約の当事者は、工事内容(1 号)や請負代金の額(2 号)などを、契約の締結に際して書面にして相互に交付する(2026-09-30 確認)
  • 同じ当事者が請負代金の額などを変えるときも、同条 2 項により、変更の内容を書面にして相互に交付する(2026-09-30 確認)
  • 消費税法 57 条の 4 第 1 項 2 号によると、適格請求書を課税期間の範囲内の一定の期間ごとにまとめて作るときは、取引の年月日に代えてその期間を書く(2026-09-30 確認)

注文書の単価と数え方に合わせた記入例の前に、請求書の「数量」が仕事の受け方で何を指すかを確かめます。

常用か請負かで、請求書の「数量」が指すものが変わる⁠

一人親方の請求書の数量は、常用で受けた仕事なら人工数、請負で受けた仕事なら出来高や一式になります。「一人親方の請求書は 1 つの型」と考えると、この欄で手が止まります。

人工は、1 人が 1 日働いた分を 1 と数える、請求書の数量に使われている単位です。常用は、日数や人数で働いた分を人工代として受け取る受け方を指し、どちらも現場で使われてきた呼び方です。

請負で出来高払いを受ける仕事は、工事の進み具合を数えるので形が別になります。累計から前回までの請求分を引く書き方は、出来高請求書の書き方が記入例で扱っています。

工事を一式で請け負った仕事では、数量を「1 式」として金額を書くため、人工数は請求書に出てきません。同じ元請からの仕事でも、現場ごとに受け方が違えば、請求書の数量の欄も現場ごとに変わります。

常用で受けた仕事なら、数量の欄には何をどう数えて入れるのでしょうか。

人工は日数で数え、半日は取り決めどおりの小数に【記入例】⁠

1 日の稼働を 1 人工とし、その月の人工数に単価を掛けたものが人工代の行の金額です。

半日の稼働は、取り決めがあるとき 0.5 人工と数えます。その月の稼働が 11 日と半日 1 回なら 11.5 人工で、人工代は 11.5 × 23,000 円 = 264,500 円です。

人工数は1日の稼働を1人工、取り決めがあれば半日を0.5人工として足す。11日と半日1回なら11.5人工で、人工代は11.5×23,000円=264,500円

材料費と駐車場代を足した 1 枚は、次のとおりです。表の単価と金額は計算の形を見せるために置いた数字で、人工単価がいくらかを示すものではありません。

品目数量 × 単価金額
人工代(10/1〜10/31 稼働分・A 邸内装)11.5 人工 × 23,000 円264,500 円
材料費(ビス・養生テープほか)一式18,400 円
駐車場代(実費)6 日 × 1,300 円7,800 円
小計(税抜)290,700 円
消費税(10%)29,070 円
ご請求金額(税込)319,770 円

この 1 枚で数字が合わなくなるとしたら、掛け算より 11.5 という人工数の数え違いが先に疑われます。稼働日と半日の日を日ごとに書き出して備考か別紙に残しておくと、元請の出面(誰がどの日に現場へ出たかの記録)と人工数を突き合わせられます。

請求書の上では「終日 11 日・半日 1 回(10/18)」と書き添えるだけでも、11.5 のうち 0.5 がどの日かが読めます。元請は出面の記録から、その 1 日を探せば済みます。

人工数を小数のまま数量に書く形は、時給の請求書の書き方が稼働時間を 42.5 と書く例と同じ考え方です。

数量欄に「11.5」、単位欄に「人工」と入れると、スイスイ請求(登録不要・無料で請求書・見積書を作れるアプリ)は単価との掛け算で人工代の金額を出します。材料費や駐車場代の行も同じ 1 枚に足せ、行ごとに税区分を選べます。

人工の単価も半日の数え方も、請求書ではなく取引先との取り決めの側にある話です。請求書の書き方を変えても、取り決めの中身は変わりません。

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スイスイ請求が受け持つのは請求書を作るところまでで、半日の数え方の確認や人工数への換算、契約の形の判定、単価の相談は含みません。人工数は、数えた結果を数量欄に入れます。

では、その単価と半日の数え方は、請求書を作る前にどこで確かめればよいのでしょうか。

単価と数え方は、注文書や契約書の取り決めにそろえる⁠

請求書の単価と人工の数え方は、注文書や契約書に書かれた取り決めと同じにします。

建設工事の請負契約で受けた仕事なら、請負代金の額は契約の書面に書く事項の 1 つです(前掲 建設業法 19 条 1 項 2 号)。途中で額などを変えるときの書面も同じ扱いで(同条 2 項)、相手の承諾を得れば、国土交通省令で定める電子の方法で交わすこともできます(同条 3 項)。

注文書の単価と請求書の単価が違うと、元請はどちらが正しいかを確かめるところから始めます。常用で受けた仕事でも、単価と半日の数え方が注文書に書いてあれば、請求書はそれを写して作れます。

注文書に単価しか書かれていないなら、半日を 0.5 人工と数えてよいかの確認が、1 枚目を出す前の仕事です。

1 か月分をまとめて出す 1 枚には、稼働した期間も書いておきます。インボイス登録をして適格請求書として出すなら、まとめた一定の期間を書くことが記載事項に入っています(前掲 消費税法 57 条の 4 第 1 項 2 号)。

人工代の行が決まったら、次は材料費などの行です。

材料費・駐車場代は、人工代と別の行に立てる⁠

材料費や駐車場代、交通費は、人工代の行に混ぜず、品目ごとに別の行に立てます。

人工代の行に材料費を足し込むと、人工数 × 単価の検算が合わなくなります。行を分けておけば、元請は人工代の行を出面と、材料費の行を納品書や領収書と照らせます。

記入例では、駐車場代を人工代と一緒に請求する実費として 10% の行に入れています。立替金として精算するなら書き方が変わるため、立替経費の請求書の書き方で 2 つの方法を見比べてください。

材料費を「一式」で書くときも、括弧の中に主な品名を入れておくと、元請が中身を確かめやすくなります。

インボイス登録をしていなければ、消費税の欄の書き方と登録番号の扱いが変わります。未登録の一人親方なら、免税事業者の請求書の書き方の記載例に沿って消費税の欄を組みます。

よくある質問⁠

Q1. 人工代の請求書に、源泉徴収の行は要りますか?⁠

国税庁のタックスアンサー No.2792 が源泉徴収の対象として挙げる代表的なもの 1〜8 に、建設工事の作業の報酬という区分は出てきません(令和 8 年 4 月 1 日現在法令等・2026-09-30 確認)。そのため人工代の請求書に、最初から源泉徴収の行を置いておく必要は原則としてありません。

ただし No.2792 が挙げるのは「代表的なもの」で、詳細は源泉徴収のあらましで確かめるよう案内しています(同)。所得税法 204 条 1 項 2 号には建築士・測量士・技術士の業務の報酬が挙がっており、建築士や測量士として受ける設計・測量の報酬は扱いが別です(2026-09-30 確認)。

振込額から差し引かれていたら、どの扱いで差し引いたのかを取引先に確かめます。

Q2. 人工数を書かずに、人工代を「一式」の金額だけで出せますか?⁠

常用で受けた仕事では、人工数と単価が請求額の根拠です。「一式」にまとめず数量に人工数を残しておくと、元請が人工数を数え直さずに済みます。

「一式」で足りる場合と足りない場合は、請求書の品目・摘要の書き方が品目の欄の話として扱っています。

Q3. 支払期日の欄には、どの日付を書きますか?⁠

注文書や取引先との取り決めで決めた期日を、そのまま書きます。期日の決め方と法令の定めは、請求書の支払期日の決め方にまとめてあります。

まとめ: 次にやること⁠

  1. 今月の稼働を日ごとに書き出し、半日も含めて人工数に直す
  2. 注文書・契約書の単価と、半日の数え方の取り決めを確かめる
  3. 材料費・駐車場代を人工代と別の行に立てて、1 枚にまとめる

人工代の請求書で合わせる数字の中心は、単価ではなく人工数です。

月が変わるたびに、出面から人工数を数え直して稼働期間と一緒に打ち直す作業は、なくなりません。

表計算でも手書きの控えでも、単価と行の並びを前月から写しておけば、毎月入れ直す数字は人工数と稼働期間に絞られます。

11.5 のような人工数も「人工」という単位も、スイスイ請求では数量欄と単位欄に打ったとおりに入ります。


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※ 本記事は一般的な情報の提供を目的としており、税務・法務に関する助言ではありません。契約が常用か請負か、建設業法の規定が取引に及ぶか、消費税をどう扱うかの個別の判断は、取引先や所轄の税務署、税理士・弁護士等へご確認ください。

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