角印を無料でオンライン作成する方法|電子角印の基礎と使い方

請求書や見積書に押す角印(社印)の印影を無料でオンライン作成する方法を解説。電子角印の基礎と法的な位置づけの一般論、社名を入れるだけで本格的な朱文角印を自動生成する方法を紹介します。

公開日:  最終更新日:  約 9 分で読めます

角印を無料でオンライン作成する方法|電子角印の基礎と使い方

請求書への押印は、法令上の要件ではありません。角印は発行元を示して体裁を整える商慣習なので、費用をかけずに用意できれば足ります。

この記事でわかること

  • 適格請求書の様式は「法令等で定められていない」(国税庁 インボイス Q&A 問 25)。記載事項 6 項目に押印は含まれない
  • 認印にあたる角印は、印影と印章の一致を証明する手段がない(民訴法 228 条 4 項の推定は本人の押印が前提)
  • 電子印影(印影の画像)は電子署名法 2 条 1 項の「電子署名」ではない。改変の有無を確認できることが要件
  • 角印の印影は、自作・電子印鑑ツール・請求書アプリ内蔵の 3 つの方法で無料に作れる

結論: 角印の印影は無料でオンライン作成できる。社名を入れるだけで自動生成する方法も⁠

角印の印影は、無料・オンラインで作成できます。物理的なハンコを注文して届くのを待つ必要はありません。

国税庁の「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」問25は、適格請求書の様式について「法令等で定められていません」と明記しています。 必要な記載事項として国税庁が挙げているのは 6 項目です。発行事業者の氏名または名称および登録番号、取引年月日、取引内容(軽減税率の対象品目である旨を含む)の 3 つです。

残りは、税率ごとに区分して合計した税抜または税込の対価の額および適用税率、税率ごとに区分した消費税額等、交付を受ける事業者の氏名または名称です。押印はこの 6 項目に含まれていません。

角印とは — 会社の「認印」にあたる印章⁠

角印は、社名や屋号を刻んだ四角い印章で、請求書・見積書・領収書などの日常的な書類に押されます。会社の実印(丸印・代表者印)が契約書など重要書類に使われるのに対し、角印は会社の認印にあたる位置づけです。

伝統的な角印は、文字を朱色で表す「朱文(しゅぶん)」で、篆書体などの印章らしい書体で彫られます。文字数に応じて正方形の枠に均等に割り付け、書類の社名に少し重なるように押すのが慣習です。

「押印についてのQ&A」は、内閣府・法務省・経済産業省が令和2年6月19日に公表したものです。問5の見出しでは「認印や企業の角印」と実印を対比しており、角印を実印ではない印章として扱っています。 個人事業主やフリーランスの場合は、角印を持たず個人名だけで請求書を出すことも珍しくありません。会社員が副業で個人名の請求書を発行する場合の書き方は「副業の請求書の書き方|会社員でも個人名でOK・記入例つき」で扱っています。

電子角印(角印の印影画像)とは⁠

電子角印は、角印の印影をデータ化したものです。PDFや画像の請求書に配置して使います。

紙に押してスキャンする方法もありますが、最初からデータとして生成すれば、にじみ・かすれ・傾き・紙の影のない印影になります。

スキャン方式には手間もあります。白い紙に押す、スキャナで取り込む、画像編集ソフトで背景を透過させる、という3工程が毎回発生します。

透過処理を忘れると、白い四角が社名を覆ってしまいます。データとして生成する方式なら、この工程がまるごと不要です。

印影を作って毎回書類に貼り付けるなら、スイスイ請求(登録不要・無料で請求書・見積書を作れるアプリ)に生成と押印をまとめて任せる手もあります。社名を入力すると朱文の角印が作られ、請求書・見積書・納品書・領収書・発注書にそのまま押されます。

登録ゼロ・開いて 1 分、今日の 1 枚がもう出せる。メールアドレスもアカウント作成も要りません。ブラウザで開いて、そのまま作成・PDF 保存。登録不要で請求書を作る →毎月 10 件まで無料・勝手に有料にはなりません

請求書への押印は法律上の義務か⁠

請求書への押印を求める法令は、特段の定めがある場合を除きありません。「押印についてのQ&A」問1は「私法上、契約は当事者の意思の合致により、成立するものであり、書面の作成及びその書面への押印は、特段の定めがある場合を除き、必要な要件とはされていない」としています。

同問はさらに「特段の定めがある場合を除き、契約に当たり、押印をしなくても、契約の効力に影響は生じない」と述べています。 消費税法上の適格請求書についても同じで、様式は法令等で定められていません。登録番号を持たない免税事業者が請求書を出す場合の書き方は「免税事業者の請求書の書き方|消費税相当額の記載例と70%経過措置」で整理しています。

つまり、請求書に押す角印は「法令上は必須ではないが、あると取引先に丁寧な印象を与えられるもの」と捉えておくとよいでしょう。取引先の社内ルールで押印を求められる場面はあるため、相手に合わせるのが実務的です。

角印・丸印・電子印影・電子署名の違い⁠

4つは「印章そのもの」と「電子データに施す措置」に分かれ、法的な位置づけがそれぞれ異なります。請求書で登場するのは、このうち角印と、その印影を画像にした電子印影です。

種類法的な位置づけ主な用途請求書での要否
角印(社印)会社の認印。民訴法228条4項により本人の押印があれば私文書は真正に成立したと推定されるが、認印は印影と印章の一致を証明する手段がないと推定が及びにくい請求書・見積書・納品書・領収書不要。商慣習として押されることが多い
丸印(会社実印・銀行印)実印は印鑑証明書で印影と印章の一致を証明でき、「二段の推定」が働きやすい契約書・登記関係の書類・金融機関への届出不要。通常は使わない
電子印影(電子角印)印影の画像データ。電子署名法の「電子署名」は改変の有無を確認できることが要件で、印影画像を貼るだけでは満たさないPDFの請求書・見積書不要。体裁を整える目的
電子署名本人による電子署名(本人だけが行えるものに限る)が行われた電磁的記録は、真正に成立したものと推定される(電子署名法3条)契約書などの電子契約不要。請求書で使うことは通常ない

表の根拠を補足します。「押印についてのQ&A」問2は、民訴法228条4項の「私文書は、本人[中略]の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する。」という規定を引いています。

本人の押印があれば、その私文書は本人が作成したものと推定されるという説明です。

問4は、印影と作成名義人の印章が一致することが立証されれば、押印は本人の意思に基づくと推定されるとしています。さらに228条4項で、その私文書が作成名義人の意思で作成されたと推定される「二段の推定」(最判昭39・5・12)を挙げ、その効果は限定的だとしています。

問5では、二段の推定は実印だけでなく認印にも適用され得ると整理されています。ただし認印の場合は、印影と印章の一致を証明する手段が確保されていないと推定が及ぶことは難しい、としています。 電子署名法は、電子署名を 2 つの要件で定義しています(2条1項)。1 つは「当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのもの」であることです。

もう 1 つは「当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるもの」であることです。本人による電子署名(本人だけが行うことができるものに限られます)が行われた電磁的記録は、真正に成立したものと推定されます(3条)。

印影の画像は「改変が行われていないかどうかを確認する」機能を持ちません。そのため電子印影と電子署名は、別物として扱う必要があります。 作り方も種類ごとに違います。角印と丸印は印章店に彫ってもらう物理的なハンコで、実印は印鑑証明書を取得できる状態にしておくと一致の証明がしやすくなります。

電子印影は画像編集ソフト・電子印鑑ツール・請求書アプリで作成でき、費用をかけずに用意できます。電子署名は認証サービスを通じて付与します。

屋号で活動する個人事業主が請求書を作る具体例は「ハンドメイドの請求書の書き方|委託販売の手数料・8%と10%の記入例」が参考になります。

角印を無料でオンライン作成する方法⁠

主な方法は次の3つです。手間の少ない順に並べると、請求書アプリの内蔵機能、電子印鑑の作成ツール、画像編集ソフトでの自作になります。

  1. 画像編集ソフトで自作する: 正方形のキャンバスを用意し、朱色の枠線を引き、社名を2行に割り付けて配置し、背景を透過させてPNGで書き出す、という4工程です。自由度は高いものの、印章らしい書体や文字の割り付けを整えるのは意外と難しく、社名の文字数が変わるたびに調整が要ります
  2. 電子印鑑の作成ツールを使う: 社名を入力して印影画像を生成するWebツールがあります。工程は「社名を入力する→書体とサイズを選ぶ→画像をダウンロードする」の3つに減りますが、生成した画像を毎回書類に貼り付ける作業は自分で行う必要があります
  3. 角印を自動生成できる請求書アプリを使う: 印影の生成から書類への押印までが一続きになっており、社名を1回入力すれば以降は押印済みの状態でPDFが出力されます。貼り付け作業自体が発生しません

「請求書や見積書に押すために角印が欲しい」のであれば、3の方法がもっとも手間がありません。1と2は、角印の画像そのものを名刺や封筒など請求書以外にも使いたい場合に向きます。

角印を無料で作る3つの方法(自作・電子印鑑ツール・請求書アプリ内蔵)を手間の少ない順に比較した図

毎月ほぼ同じ内容の請求書を出しているなら、角印を含めた1枚を型にして使い回す運用が向いています。その進め方は「毎月同額の請求書の書き方|毎月発行は必要?使い回しと記入例」で解説しています。

よくある質問(FAQ)⁠

Q1. 自動生成した角印はどんな書類に使えますか?⁠

スイスイ請求では、生成した角印を請求書・見積書・納品書・領収書・発注書に押せます。帳票間の変換にも対応しているので、見積書から請求書を作る流れでも同じ角印が使えます。

Q2. 電子角印を貼ったPDFは、改ざんされないと言えますか?⁠

言えません。印影の画像を貼ることと、データが改変されていないことを確認できることは別の話です。

電子署名法2条1項は電子署名の要件として「当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること」を挙げており、印影画像を貼るだけではこれを満たしません。 改ざんへの備えが必要な場面では、別の手段を組み合わせます。「押印についてのQ&A」問6は、文書の成立の真正を証明する手段を 3 つ挙げています。

①取引先とのメールアドレス・本文・日時等の送受信記録の保存 ②本人確認情報とその入手過程の記録・保存 ③電子署名や電子認証サービスの活用、の 3 つです。

さらにPDFにパスワードを設定する、そのパスワードを携帯電話等の別経路で伝達する、送信メールと送受信記録を長期保存する、といった方法も示しています。

Q3. 角印を押した請求書は、裁判で証拠になりますか?⁠

角印の有無だけで決まるものではありません。「押印についてのQ&A」問6は、請求書・納品書・検収書・領収書・確認書等についても触れています。

取引先とのメールの送受信記録の保存のみでも「文書の成立の真正が認められる重要な一事情になり得る」としています。

一方で問4は、請求書のように法律行為が記載されていない文書について、別の整理をしています。文書の成立の真正が認められても、その文書が示す事実の基礎となる法律行為の存在や内容が、その文書から直接に認められるわけではない、としています。

ここでの法律行為とは、例えば請求額の基礎となった売買契約です。

押印の有無より、取引の経緯を残しておくほうが実務的です。

まとめ: 次にやること⁠

  1. 取引先の慣習や社内ルールで、自分の請求書に角印が必要かを確認する
  2. 自作・電子印鑑ツール・請求書アプリの自動生成から、自分に合う方法を選ぶ
  3. 社名を入れて角印を 1 つ作り、請求書に押した状態を確かめる

社名さえ決まれば、角印は無料で用意できます。手が止まるのは、作った印影を毎回の書類に配置し直す段です。

印影を貼る工程が最初から無い作り方を選べば、この配置作業は起きません。スイスイ請求は、入力した社名から朱文の角印を作り、押印済みの 1 枚を会員登録なしで PDF にします。


角印つきの請求書も、登録不要で開いて 1 分。社名を入れると朱文の角印ができ、押印済みのまま PDF 保存。会員登録は要りません。登録不要で請求書を作る →毎月 10 件まで無料・勝手に有料にはなりませんスイスイ請求の請求書作成画面

※ 本記事は一般的な情報の提供を目的としており、税務・法務に関する助言ではありません。制度の個別の取り扱いは国税庁の案内や税理士等の専門家にご確認ください。

ページの先頭へ