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ハンドメイドの請求書の書き方|委託販売の手数料・8%と10%の記入例

ハンドメイド作家の請求書は、作品名×単価×点数を税率ごとに行分けし、委託販売なら手数料を引かない総額で書いて備考で相殺します。焼き菓子8%とアクセサリー10%が混ざる記入例つき。

公開日: 2026-08-18

この記事でわかること

  • ハンドメイドの請求書は「作品名(作品 No.)× 単価 × 点数」を税率ごとに行を分けて書くこと
  • 委託販売の販売手数料 30% は請求書から差し引かず、総額で請求して備考で相殺するのが原則であること
  • 焼き菓子は 8%、アクセサリーは 10% と、消費税率が混ざる請求書の書き方
  • 委託先から精算書が届くときに、自分でも請求書を出すべきかの判断基準

結論: ハンドメイドの請求書は「作品名 × 単価 × 点数」を税率ごとに行分けし、委託販売は総額で書く【記入例】

**ハンドメイド作家の請求書は、作品ごとに「作品名(作品 No.)× 単価 × 点数」の行を作り、消費税率が違う作品は行を分け、委託販売なら販売手数料を差し引かない総額で書きます。**手数料は引き算ではなく、お店からの請求との相殺として備考に書きます。記入例から示します。

| 品目 | 単価・数量 | 金額 | |---|---|---| | ピアス(作品No.A-12) | 2,000 円 × 6 点 | 12,000 円 | | がま口ポーチ(作品No.B-03) | 3,000 円 × 3 点 | 9,000 円 | | 焼き菓子ギフト(作品No.C-01)※ | 1,000 円 × 10 点 | 10,000 円 | | 10% 対象(消費税 2,100 円) | | 21,000 円 | | 8% 対象(消費税 800 円) | | 10,000 円 | | ご請求金額 | | 33,900 円 |

備考には「※印は軽減税率(8%)対象品目」「販売手数料 9,300 円 + 消費税 930 円 = 10,230 円と相殺のうえ、23,670 円をお振込みください」「お支払期日 2026 年 9 月 30 日」の 3 行を入れます。

ハンドメイド委託販売の月末締め請求書の記入例。ピアス・がま口ポーチは10%、焼き菓子ギフトは※印つきで8%と行を分け、税率ごとの対価と消費税、販売手数料の相殺後の振込額と支払期日を備考に書く

図解は、この記入例を「宛名 → 発行者・登録番号 → 件名(対象期間)→ 明細 3 行 → 税率ごとの合計 → 備考」の並びでまとめたものです。手数料率 30% は説明用の例で、相場ではありません。免税事業者なら登録番号の欄を設けず、消費税の行は「消費税相当額」と書きます。

迷いやすいのは ①記載項目 ②販売手数料をどの行に書くか ③8% と 10% の混在 ④送料・梱包材 ⑤お店の精算書との二重発行、の 5 点です。順に国税庁の一次情報で整理します。

ハンドメイド作家の請求書に必要な記載項目(インボイス 6 項目と免税事業者の場合)

インボイス(適格請求書)として発行するなら、必要な記載事項は ①発行者の氏名または名称と登録番号 ②取引年月日 ③取引内容(軽減税率の対象品目である旨を含む)④税率ごとに区分して合計した対価の額と適用税率 ⑤税率ごとに区分した消費税額等 ⑥交付を受ける事業者の氏名または名称、の 6 項目です(国税庁 タックスアンサー No.6625・2026-08-17 確認)。登録番号は「T + 13 桁」の形で、作家名・屋号の横か下に書きます。

③の取引内容は、作品名だけだと同じ形のバリエーションを区別できません。記入例のように「ピアス(作品 No.A-12)」と作品番号を添えると、お店が売上報告と 1 行ずつ突き合わせられます。

登録していない免税事業者は、6 項目から登録番号と税率ごとの消費税額等を除いた区分記載請求書を発行します。「消費税相当額」と書く方法や備考の文例は免税事業者の請求書の書き方にまとめています。請求書番号・振込先・支払期日は 6 項目に含まれませんが、入金処理のために書くのが定番です。

委託販売の販売手数料(30% など)は請求書にどう書く?

委託販売の請求書は、お店が受け取った販売代金の総額で書き、販売手数料は差し引かずに備考で相殺するのが原則です。国税庁の消費税法基本通達は、受託者(お店)が委託商品を譲渡して収受した金額が委託者(作家)の資産の譲渡等の金額になるとし、その課税期間中に行った委託販売等の全てについて手数料控除後の残額を売上としているときに限り、その処理も認めるとしています(国税庁 消費税法基本通達 10-1-12(1)・2026-08-17 確認)。総額(原則)か純額(例外)かは請求書ごとに選べず、課税期間の委託販売すべてで揃えます。

純額には制約が 2 つあります。1 つは、販売手数料が役務の提供の対価なので、売れた作品が軽減税率の対象でも標準税率 10% が適用されること。もう 1 つは、軽減税率の対象を含む場合は適用税率ごとに区分して計算するため、純額処理を適用できないことです(同通達 注 1・注 2)。焼き菓子など 8% の作品を扱う作家は、総額で書く一択です。

記入例では、手数料 9,300 円(税抜売上 31,000 円の 30%)とその消費税 930 円の計 10,230 円を請求額 33,900 円と相殺し、振込額 23,670 円を備考に書いています。明細の金額はいじりません。

卸(買取)で納品するときの請求書の書き方

**卸(買取)は、お店に納品した時点で売買が成立して代金が確定するため、請求書には売れた点数ではなく納品した点数を書きます。**違いは売れ残りのリスクをどちらが負うかです。委託販売は売れた分だけが売上で売れ残りは戻ってきますが、卸は納品した全点数が売上になります。

掛け率で取引する場合も、請求書には掛け率を書かず、それを反映した後の卸単価を単価欄に入れます。上代と掛け率を並べて書くと、お店側が小売価格で処理する誤りを招きます。

納品のたびに請求書を作る必要はありません。国税庁は適格請求書の記載方法として、課税期間の範囲内で一定の期間内の取引をまとめて記載する方法を認めています(前掲 No.6625)。納品時は納品書を添え、月末に「8 月分(8/1〜8/31)」として 1 枚にまとめる手順は合計請求書(月締め)の作り方で解説しています。

焼き菓子は 8%、アクセサリーは 10%(消費税率が混ざるときの書き方)

**焼き菓子・ジャムなどの飲食料品は軽減税率 8%、アクセサリー・雑貨・布小物は標準税率 10% で、両方を納めているなら 1 枚の請求書の中で行を分けます。**軽減税率 8% の対象は、酒類・外食等を除く飲食料品と定期購読の新聞に限られます(国税庁 タックスアンサー No.6102・2026-08-17 確認)。

作法は 2 つです。1 つは軽減税率の対象品目である旨を示すこと(前掲 No.6625 の記載事項③)で、品目末尾に「※」を付け備考に凡例を置きます。もう 1 つは税率ごとに区分した対価の額と消費税額を分けて書くこと(同④⑤)で、記入例の「10% 対象 21,000 円(消費税 2,100 円)/8% 対象 10,000 円(消費税 800 円)」がこれです。

判断が割れるのは、焼き菓子とラッピング雑貨のギフトセットのような一体資産です。食品と食品以外があらかじめ一体で、その一体の価格だけが提示されているものは、税抜価額 1 万円以下かつ食品の価額の占める割合が 3 分の 2 以上の場合に限り全体が 8%、それ以外は全体が 10% です(前掲 No.6102 注 2)。セットの構成を変えたら都度判定し直してください。なお端数処理は 1 枚につき税率ごとに 1 回です(国税庁 インボイス制度 Q&A 問 57)。手順は時給の請求書の書き方にまとめています。

送料・梱包材・材料費は請求書のどの行に書く?

**発送を代行して実費を預かるだけなら「送料(お預り)」の行に分けて消費税の計算に含めず、送料込みの価格で売っているなら商品代に含めて課税対象として書きます。**国税庁の基本通達は、他の者に委託する配送等に係る料金を課税資産の譲渡の対価の額と明確に区分して収受し、預り金または仮受金等として処理している場合は、対価の額に含めないものとして差し支えないとしています(国税庁 消費税法基本通達 10-1-16・2026-08-17 確認)。裏を返せば、区分も預り金処理もしていない送料は、商品代と同じ扱いです。

梱包材やラッピングの費用も同じ考え方で、価格に織り込んでいるなら行を作らず、実費を別途もらうなら品目を分けます。材料費は作品の原価であって請求項目ではないため、単価に含めます。預かった実費を精算する書類の作り方は立替経費の請求書の書き方で解説しています。

委託先から精算書が届くときも自分で請求書を出すべき?

**お店から届く精算書は「お店 → お客さん」の適格請求書の写しにあたるもので、「作家 → お店」の請求書とは別の書類です。**国税庁のインボイス Q&A は、委託販売で購入者に課税資産の譲渡等を行っているのは委託者(作家)であり、本来は委託者が適格請求書を交付するとしたうえで、代理交付と媒介者交付特例により受託者(お店)が代わりに交付できると示しています(国税庁 インボイス制度 Q&A 問 48・令和 5 年 10 月改訂・2026-08-17 確認)。

媒介者交付特例の要件は ①委託者と受託者の双方が適格請求書発行事業者であること ②委託者が受託者に、自己が登録を受けている旨を取引前までに通知していること(基本契約書への登録番号の記載でも可)の 2 つです。お店は交付した適格請求書の写しを速やかに作家に渡しますが、枚数が多く困難なときは精算書等で差し支えないとされ、その精算書には税率ごとに区分した合計金額・適用税率・消費税額等の記載が必要です(同問 48)。判断の目安は次のとおりです。

| お店の精算書の状態 | 自分で請求書を出すか | |---|---| | 自分の登録番号と税率ごとの金額が載っており、内容を確認する手続きが契約にある | お店の指示に従う。二重に発行しなくてよいことがある | | 精算書はあるが登録番号や税率ごとの区分がない、または確認手続きがない | 自分で請求書を発行し、控えを残す | | 精算書がない、または売れた点数・単価の内訳が確認できない | 自分で請求書を発行する |

なお適格請求書の交付義務は課税事業者の求めに応じて生じるため、購入者が消費者なら義務はありません(同問 48)。買手が作る書類との関係は軽貨物の請求書の書き方でも整理しています。

ハンドメイドの請求書に源泉徴収の欄は必要?支払期日はいつにする?

**作品を売った代金には、源泉徴収税額の行は必要ありません。**源泉徴収の対象になる報酬・料金等は、原稿料・講演料等、士業の報酬、診療報酬、プロスポーツ選手やモデル・外交員の報酬、芸能人の出演料、ホステス等の報酬、契約金、賞金の 8 区分として国税庁が列挙しており、物品の販売代金は含まれていません(国税庁 タックスアンサー No.2792・2026-08-17 確認)。請求書は、明細と消費税と合計額だけの、源泉の行がない形で書けます。ただし謝礼などの名目でも実態が報酬・料金等と同じなら対象になるとされ、オーダーメイドの依頼が「デザイン料」名目になる場合は扱いが変わることがあるため、取引先に確認してください(講師料の請求書の書き方)。

支払期日は、記入例のように具体的な日付(2026 年 9 月 30 日)を書きます。取引先の発注を受けて物品を製造するフリーランス法上の業務委託では、発注した物品等を受領した日から起算して 60 日以内のできる限り短い期間内で定めることが求められます(公正取引委員会 フリーランス法特設サイト・2026-08-17 確認)。同法の対象は「業務委託の相手方である事業者で、従業員を使用しないもの」で、取引条件は書面か電磁的方法での明示が必要とされ、作家に責任がない減額も禁止されています。既製品の委託販売や卸がこれにあたるかは実態によるため、契約書で締め日と支払日を確認してください。

まとめ: ハンドメイドの請求書は「行分け + 総額 + 税率区分」で書ける

  • 明細は「作品名(作品 No.)× 単価 × 点数」で作品ごとに行を分け、月末締めで 1 枚にまとめる
  • 委託販売は手数料を差し引かない総額で請求し、備考で相殺する。純額で書けるのは課税期間の委託販売すべてを純額にしている場合だけで、8% の作品があるときは使えない
  • 焼き菓子・ジャムは 8%、アクセサリー・雑貨は 10%。「※」印と凡例を付け、税率ごとの対価と消費税を分ける
  • 送料は実費を預かるなら「送料(お預り)」の行に分け、送料込み価格なら商品代に含める
  • 物品の販売代金に源泉徴収の欄は不要。お店の精算書に登録番号と税率ごとの区分があるかを確認する

ハンドメイドの請求書をスマホで作るなら

**スイスイ請求なら、会員登録なしでブラウザから請求書を作成でき、明細ごとに 10% と 8%(軽減)を選べます。**税率ごとの区分集計と「※は軽減税率(8%)対象品目」の凡例がそのまま印字されるため、焼き菓子とアクセサリーが混ざる委託販売の請求書も 1 枚で作れます。月ごとの請求は前月分をもとに翌月分をワンクリックで作れるので、作品名と点数の書き換えだけで済みます。納品書や領収書も同じ画面から作成でき、データは端末に保存されます。納品の帰りにスマホから PDF にできるので、月に 1 枚だけ必要な働き方でも無料で必要な分を作れます(料金・機能の最新はアプリ内の表示をご確認ください)。

よくある質問

Q1. minne や Creema、BASE で売れた分にも請求書は必要ですか?

購入者が消費者であれば、適格請求書の交付義務は生じません。交付義務は課税事業者の求めに応じて生じるものとされているためです(国税庁 インボイス制度 Q&A 問 48)。精算方法や発行される書類は各サービスで異なるため、運営元の案内で確認します。

Q2. マルシェやイベントで直接販売するときはどうしますか?

小売業に該当する販売は、適格簡易請求書(レシート)で足ります。宛名の記載が不要で、適用税率か税率ごとの消費税額等のいずれか一方の記載でよいとされています(国税庁 No.6625)。8% の焼き菓子を扱うなら、軽減税率の対象品目である旨の「※」印は必要です。

Q3. 屋号(作家名)だけで請求書を出せますか?

記載事項として求められているのは「書類の作成者の氏名または名称」です(前掲 No.6625)。作家名や屋号で出す場合は「hana works(山田花子)」のように併記し、振込先の口座名義と照合できるようにしておくと入金処理で行き違いが起きません。会社員が副業で作品を売る場合は副業の請求書の書き方にまとめました。

Q4. 売れ残りの返品があったときは請求書をどう直しますか?

同一の課税期間中に生じた返品・値引き等は、税率の異なるごとに合理的に区分して売上金額から控除する経理処理を継続していれば認められます(国税庁 消費税法基本通達 10-1-15)。翌月の請求書に「返品(作品 No.A-12)2 点」のような税率ごとのマイナス行を立てる形が実務的です。書き方は請求書の値引きの書き方で解説しています。

Q5. お店から「領収書もください」と言われました。請求書とは別に作るのですか?

振込払いなら振込記録が支払いの証拠になるため求められないことが多いものの、現金精算では領収書を求められることがあります。スイスイ請求では作成した請求書を領収書に変換できるため、同じ明細を入力し直す必要はありません。

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※ 本記事は一般的な情報の提供を目的としており、税務・法務に関する助言ではありません。消費税・軽減税率・インボイス登録の個別の判断は、国税庁タックスアンサー・税務署・税理士等の専門家にご確認ください。