家賃の請求書の書き方|住宅は非課税・事務所は10%の記入例
家賃の請求書は、住宅の家賃と共益費は非課税、事務所や店舗の家賃は10%と、行ごとに消費税の区分を分けます。社宅と事務所を同じ会社に貸す記入例で、駐車場代の区分と、インボイスを求められたときの書き方を整理しました。
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家賃の請求書の書き方は、インボイスの様式より、住宅は非課税・事務所や店舗は 10% という行ごとの消費税の区分で迷います。住むための貸付けか、家賃とは別の物の料金かの 2 問で各行を振り分ければ、社宅と事務所を同じ会社に貸す記入例のように 1 枚に混ざっても書けます。
住宅・共益費・駐車場代の区分について、法令と国税庁の記載
- 消費税法は住宅の貸付けを非課税とし、契約で人の居住の用に供することが明らかにされている場合に限っています。契約に用途の定めがなくても貸付けの状況から居住用と明らかな場合を含み、一時的に使用させる場合などは除かれます(e-Gov 法令検索 消費税法 6 条 1 項・別表第二 第十三号・2026-10-01 施行の現行版・2026-10-13 確認)
- 家賃には、月決めの家賃のほか、敷金・保証金・一時金等のうち返還しない部分と、共用部分の費用を入居者が応分に負担する共益費も含まれます(国税庁 タックスアンサー No.6226・令和 8 年 4 月 1 日現在法令等・2026-10-13 確認)
- 住宅に付く駐車場は、1 戸 1 台分以上を車の保有の有無にかかわらず割り当て、家賃と別に使用料を取っていない、のいずれにも当たれば非課税です(同)
- 土地の貸付けは非課税ですが、駐車場としての地面の整備やフェンス・区画の設置などをして貸す場合は消費税が課されます(国税庁 タックスアンサー No.6213・令和 8 年 4 月 1 日現在法令等・2026-10-13 確認)
家賃の請求書の行は2問で区分が決まる(駐車場は3通り)
家賃の請求書の各行は、住むための貸付けか、部屋とは別の物の料金か、の 2 問で非課税か 10% かに分かれます。国税庁がこの 2 問の形で手順を示しているわけではなく、問いの立て方は本記事が通達と質疑応答から組んだものです。
- 問1 住むためか: 契約で居住用・1 か月以上・旅館業でない、の 3 つがそろうか
- 問2 別の物の料金か: 駐車場・倉庫・家具・電気水道を、家賃と別に取るか、選んだ入居者だけに付けるか
各行は、次の 4 つの出口のどれかに着きます。
- (a) 非課税: 問1 が「はい」で問2 が「いいえ」(社宅の家賃・共益費)
- (b) 10%: 問1 が「いいえ」か問2 が「はい」(事務所の家賃・別料金の駐車場)
- (c) 2 問の前に外れる: 退去時に返す敷金(対価に当たらない = 不課税の側)と、何も整えない土地を 1 か月以上貸すだけ(非課税の側)
- (d) 1 つの契約に混ざる: 店舗と住宅を一括で貸すなら、住宅部分だけ非課税
契約に用途の定めがなくても(居住用・事業用のどちらでも使えるとした契約を含みます)、借主が個人で、人が住んでいないことを大家が把握していない部屋や、転貸先との契約で住まいと明らかな部屋は、居住用と明らかな側です(国税庁 消費税法基本通達 6-13-10・6-13-11・2026-10-13 確認)。契約で事務所と決めた部屋や、民泊を含む旅館業の施設は、問1 が「いいえ」です。
住宅の共益費は名前が管理費でも家賃に含まれるので、行を分けても問2 は「いいえ」です。家賃と別に取る専有部分の電気・水道の料金は、家賃に含まれません(前掲 No.6226)。
礼金のように返さない一時金も、住宅なら家賃の側に入ると読めます(同・基本通達 6-13-9)。礼金や更新料を名指しした記載ではないので、迷う行は税務署に確かめます。
(c) の根拠は、契約の終了に伴って返すものを対価に当たらないとした基本通達 5-4-3 の後段です(国税庁 消費税法基本通達 5-4-3・2026-10-13 確認)。対価に当たらない不課税と非課税の分かれ目は、会費の請求書の書き方の消費税の節で確かめられます。
駐車場は 3 通りに分かれます。住宅に付けて家賃に込みにし、全戸に車の有無を問わず 1 台分以上を割り当てるなら非課税で、区画や舗装をして別料金で貸すなら 10% です。
3 つ目の、何も整えない土地を 1 か月以上貸すだけなら、土地の貸付けとして非課税の側に入ります(前掲 No.6213)。家賃に込みでも、その条件に当たらない駐車場や、入居者が選んで付ける家具・倉庫は、区分して課税と質疑応答事例の別紙にあります(国税庁 質疑応答事例「集合住宅の家賃、共益費、管理料等の課税・非課税の判定」・令和7年8月1日現在・2026-10-13 確認)。
事例は集合住宅の照会が前提で、形の違う貸し方は税務署に確かめます。決まった 4 行を、次は 1 枚に並べます。
社宅と事務所を同じ会社に貸す1枚の記入例(税込216,200円)
同じ会社に社宅と事務所を貸す月は、非課税の 2 行と 10% の 2 行を 1 枚に並べ、消費税は 10% の行にだけ掛けます。作例は、適格請求書発行事業者の登録をした大家が、12 月分を 11 月 25 日(水)に出し、支払期限を 11 月 30 日(月)とした 1 枚です。
| 品目 | 税の区分 | 金額 |
|---|---|---|
| 社宅の家賃(12月分) | 非課税 | 88,000 円 |
| 社宅の共益費(12月分) | 非課税 | 5,000 円 |
| 事務所の家賃(12月分) | 10% | 100,000 円 |
| 駐車場代(区画・舗装あり 1 台) | 10% | 12,000 円 |
| 消費税(10% 対象 112,000 円) | — | 11,200 円 |
| 合計 | — | 216,200 円 |
社宅は、会社が社員に住宅として転貸することが契約書などで明らかなら、住宅の貸付けに入ります(国税庁 消費税法基本通達 6-13-7・2026-10-13 確認)。駐車場は、事務所用に別の契約で貸す 1 台です。
合計欄は、非課税の 88,000 円と 5,000 円で 93,000 円、10% 対象の 100,000 円と 12,000 円で 112,000 円に分かれます。消費税は 112,000 円の 10% で 11,200 円、小計(税抜)205,000 円に足して 216,200 円です。
4 行の金額は家賃の目安ではない、計算用の仮の数字です。
記入例の 4 行をスイスイ請求(登録不要・無料で請求書・見積書を作れるアプリ)に税抜の単価で入れ、社宅の 2 行だけ「税率・区分」を「非課税」に変えれば 1 枚になります。税込で決めた家賃なら、単価の入力を税込に切り替えます。
紙面の合計欄では、「10%対象」の行に 112,000 円と消費税 11,200 円、「非課税・不課税等」の行に 93,000 円が別々に出ます。登録番号を入れれば紙面に「登録番号 T…」と出て、この 1 枚で無料の月 10 件の枠を 1 件使います。
住宅を個人に 1〜2 部屋貸すだけで、年に 1〜2 枚しか出さない大家なら、請求書のアプリは要りません。借主が事業をしていない個人なら交付の義務も生じず、線引きは毎月同額の請求書の書き方のよくある質問 Q2 にあります。
登録ゼロ・開いて 1 分、今日の 1 枚がもう出せる。メールアドレスもアカウント作成も要りません。ブラウザで開いて、そのまま作成・PDF 保存。登録不要で請求書を作る →毎月 10 件まで無料・勝手に有料にはなりません明細 1 行目の「税率・区分」に付くヘルプは非課税の例に土地・保険料を挙げ、「迷ったら10%のままで問題ありません」と添えているので、住宅の家賃と共益費の行は自分で「非課税」に選び直します。返す敷金を「不課税」にしても、合計欄では「非課税・不課税等」の同じ行に入ります。決まった日に請求書を作って送る機能はなく、アプリからのメール送付は有料の契約の機能で、スマホでもブラウザから開きます。
事務所を借りる会社からは、この 1 枚をインボイスとして求められることがあります。
インボイスを求められたら、登録番号と10%の行の消費税額を載せる
事務所の借主にインボイスとして渡すなら、登録番号と、10% の行をまとめた対価の額と消費税額を 1 枚に載せます。作例なら「10% 対象 112,000 円・消費税 11,200 円」がその行で、社宅の 93,000 円は税額の計算に入りません。
宛名や取引年月日を含む記載事項の 6 項目は、請求書の書き方にあります。
家賃を口座振替や振込で受け取るなら、毎月の請求書の代わりに、契約書と通帳の記録を合わせて記載事項を満たす方式もあります。この方式は毎月同額の請求書の書き方のよくある質問 Q2 が、国税庁の Q&A 問 95 をもとに扱っています。
インボイスの形が決まれば、あとは翌月からの出し直しです。
翌月分は日付と「12月分」の表記を1か月進めて作る
翌月の家賃の請求書は、区分と金額を前月のまま残し、日付と品名の対象月を 1 か月進めて作ります。作例の次の 1 枚は、発行日 12 月 25 日(金)・支払期限 12 月 30 日(水)で、品名の「12月分」は「1月分」になります。
家賃を改めた月や駐車場の契約が終わった月だけ、その行が書き換えの対象です。
一覧で前月の行の「次月分」を押すと、発行日と支払期限を 1 か月進めた下書きが新しい番号で開きます。品名の「12月分」も「1月分」に進み、この 1 枚も無料の月 10 件に数えます。
「詳細設定」の定期請求を有効にすると、アプリを開いたときに発行日が来た月の下書きを作ります。請求書だけの設定で、相手へ自動で送ることはなく、翌月分は「次月分」か定期請求のどちらか一方で作ります。
よくある質問
Q1. 免税事業者の大家は、家賃の請求書をどう書けばよいですか?
登録番号を持たないので適格請求書は出せず、事務所の家賃の行も、登録番号と税率ごとの消費税額を書かない形です。消費税相当額を書くときの注意は、免税事業者の請求書の書き方にあります。
Q2. 家賃が遅れたときの遅延損害金は、どの区分にしますか?
計算の仕方と、消費税 10% を掛けない行で載せる 1 枚の作り方は、遅延損害金の請求書にあります。国税庁の質疑応答事例は、退去を求めた期限を過ぎても出ない事務所の入居者から取る 3 倍の割増賃料を貸付けの対価としていて、支払いの遅れとは場面が違います(国税庁 質疑応答事例「違約入居者から受け取る割増賃貸料」・令和7年8月1日現在・2026-10-13 確認)。
この回答も照会の事実関係が前提で、住宅か事務所かを問わず、滞納分を非課税と不課税のどちらにするかは税理士か税務署に確かめてください。
Q3. 1 階が店舗、2 階が住宅の建物を一括で貸すときは?
住宅として貸した部分だけが非課税で、一括の家賃を住宅の分と店舗の分に合理的に区分します(国税庁 消費税法基本通達 6-13-5・2026-10-13 確認)。区分した後は住宅の行を非課税、店舗の行を 10% にでき、分ける割合は税理士か税務署に確かめる事柄です。
まとめ: 次にやること
- 貸している部屋が、契約で住宅用と書かれているかを確かめる
- 駐車場・電気水道など、家賃と別に取っている料金を行に分ける
- 事務所などの借主から、インボイスを求められているかを確かめる
各行の区分は、住むための貸付けかと別の物の料金かの 2 問で決まり、決まれば非課税と 10% を 1 枚に並べられます。
手書きや表計算で 1 枚を作り直すと、社宅の行は非課税、事務所の行は 10% と選び直す手間が毎月かかります。
区分を行に残したまま翌月の 1 枚を起こせれば、書き直しは家賃を改めた行だけで足ります。
前月の 1 枚の区分と金額は、スイスイ請求の一覧で「次月分」を押せば、翌月分の下書きにそのまま移ります。
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※ 本記事は一般的な情報の提供を目的としており、税務・法務に関する助言ではありません。住宅と事業用の区分、店舗併設住宅の按分、駐車場の判定など個別の取引の扱いは、所轄の税務署や税理士にご確認ください。


