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寄付金の請求書の書き方|消費税の欄を置かない記入例と受領証

寄付金の請求書は、消費税額の行を作らずに1枚で出せます。ご寄付50,000円の記入例と、売上と寄付を同じ1枚に混ぜないほうがよい理由、請求書・寄附金申込書・受領証の使い分けまで解説します。

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寄付金の請求書の書き方|消費税の欄を置かない記入例と受領証

寄付に請求書は出さないもの、と言われます。ただし会社が寄付するときは社内の支払処理で 1 枚を求められ、消費税額の行を置かない点が普通の請求書と違います。

この記事でわかること

  • 寄附金は、課税の対象とならない不課税取引の具体例として挙げられている(国税庁 タックスアンサー No.6157)
  • 名目が寄附でも、対価性が認められれば課税仕入れになる(国税庁 確定申告書等作成コーナー)
  • 売上の対価と別に寄附金名目で受け取った金銭も、実質で判定されて対価に取り込まれることがある(同 5-2-14 後段)
  • 適格請求書の交付義務が生じるのは、国内において課税資産の譲渡等を行った場合(消費税法 57 条の 4 第 1 項)

寄付金の請求書の記入例(消費税の行を置かない1枚)

消費税額の行そのものを置かずに 1 枚を作ります。

税率別の小計も置きません。課税対象外である旨は、備考に書き添えます。

品目数量・単価金額
2026年度 ◯◯事業へのご寄付1 件 × 50,000 円50,000 円
ご請求金額50,000 円

寄付金の請求書の記入例。明細は「2026年度 ◯◯事業へのご寄付」1件×50,000円の1行だけで、税率別の小計も消費税額の行も置かず、ご請求金額は50,000円。備考に募集要項・課税対象外である旨・受領証・振込期限

発行日・請求書番号・宛名・発行者・件名と備考の中身は、図に入れてあります。50,000 円は説明用に置いた数字にすぎず、寄付額の目安を示すものではありません。

備考には次の 3 行と、振込期限の日付を書き添えます。

  • 募集要項◯(2026年度)に基づくご寄付であること
  • 消費税の課税対象となる取引ではないこと
  • 入金確認後に受領証を送ること

事務局から質問が多いのは、品目の言葉、消費税の扱い、売上との切り分けの 3 つです。

寄付金の請求書に必要な項目

寄付の 1 枚に置くのは、発行日・請求書番号・宛名・発行者・件名・明細・合計・振込期限です。

登録番号は、適格請求書に載せる項目の 1 つです(国税庁 タックスアンサー No.6625・2026-09-09 確認)。寄付だけを載せた 1 枚には適格請求書としての出番がないので、欄そのものを作りません。

発行者の欄は、会の名称に窓口を添えた「◯◯を支援する会 事務局」の形にします。団体ではなく個人名で出すときの書き方は副業の請求書の書き方の記入例が近い形です。

振込期限には、募集要項に載せた日を書き写します。取引の対価であれば、期日そのものの決め方は請求書の支払期日の決め方で扱っています。

明細は 1 行で足ります。単価の欄に寄付額、数量の欄に「1 件」と入れれば、単価と数量から合計までが検算できる形になります。

品目は「寄付金」だけでいい?(年度と使途の書き方)

品目は「2026年度 ◯◯事業へのご寄付」のように、年度と使途まで書き込みます。

「寄付金」の 3 文字だけでは、何年度のどの活動への支出なのかが相手の書類に残りません。品目の欄は、決裁の書面にそのまま写されます。

件名にも年度を入れ、備考には募集要項の該当箇所を書き添えます。同じ会社が続けて寄付してくれた年も、年度で 1 枚ずつ見分けられます。

使途を書くのは、寄付する側の勘定科目を決めてもらうためではなく、何に対する振り込みかを 1 行で伝えるためです。

事業を特定できないときは、「2026年度 活動全般へのご寄付」と書きます。募集要項に使途の区分がある団体なら、その区分名をそのまま借ります。

寄付金に消費税はかかる?(対価がないので課税の対象外)

見返りのない寄付は、原則として資産の譲渡等の対価に当たらないものとされています。

通達は「寄附金、祝金、見舞金等は原則として資産の譲渡等に係る対価に該当しない」と書いています(消費税法基本通達 5-2-14・2026-09-09 確認)。課税の対象とならない取引の例にも、寄附金が挙がっています(国税庁 タックスアンサー No.6157・2026-09-09 確認)。

「原則として」が付いているので、寄付なら必ず対象外、とは読めません。名目が寄附でも、対価性が認められる場合は課税仕入れとなる、というのが国税庁の説明です(国税庁 確定申告書等作成コーナー「寄附金や交際費の取扱い」令和 4 年 9 月 1 日現在法令等・2026-09-09 確認)。

これは寄付を支出する側の説明です。対価性の有無で扱いが分かれるという軸は、受け取る側の判定にも通じます(消費税法基本通達 5-2-14)。

広告掲載などの見返りがあるものは、協賛金として判定する別のケースになります(協賛金の請求書の書き方)。会費が対象から外れるときは、明白な対価関係の有無をみる別の筋道をたどります(会費の請求書の書き方)。

募集要項に見返りにあたる内容を書いていないかを、まず見直してください。実際の課否は個別の事情で変わるため、税務署や税理士への確認をおすすめします。

対価がなければ、税額を計算する土台そのものがありません。記入例に消費税額の行がないのは、その結論を欄の有無で示しているからです。

対価がないから対象外、と言えるのは寄付だけを受け取ったときです。グッズ代と一緒に受け取ると、次の問いが出ます。

売上と寄付を同じ1枚に混ぜない

グッズ代やチケット代と寄付は、できるだけ別々の 1 枚に分けます。

通達の後段は、売上と一緒に寄附金名目の金銭を受け取った場合を名指ししています。

「例えば、資産の譲渡等を行った事業者がその譲渡等に係る対価を受領するとともに別途寄附金等の名目で金銭を受領している場合において、当該寄附金等として受領した金銭が実質的に当該資産の譲渡等の対価を構成すべきものと認められるときは、その受領した金銭はその資産の譲渡等の対価に該当する」(消費税法基本通達 5-2-14 後段・2026-09-09 確認)

グッズ代やチケット代を寄付と同じ 1 枚に並べると、寄付の行まで対価とみられることがあります。並べ方の問題ではなく、受け取った金銭の実質で判定されるからです(同)。

どうしても 1 枚に載せるなら、明細を分けます。「チャリティグッズ/10 個/単価 1,000 円/10,000 円(10%対象・消費税 1,000 円)」と「2026年度 ◯◯事業へのご寄付/1 件/20,000 円」の 2 行です。

合計は、10,000 円と消費税 1,000 円に 20,000 円を足した 31,000 円になります。金額は説明のための例です。

グッズ代の 1 枚と寄付の 1 枚を別々に作るときは、スイスイ請求(登録不要・無料で請求書・見積書を作れるアプリ)で 1 枚目を複製し、品目と金額を書き換えます。請求書番号は 2 枚で別のものにします。

行を分けたからといって、寄付の行が対価から外れるわけではありません。通達は実質で判定するとしているので、可能なら別々の 1 枚にします(同)。

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別々の 1 枚にすれば、寄付の 1 枚には税に関する欄が残りません。ここで出てくるのが、登録番号の欄です。

インボイス登録していない団体はどうする?

登録していないことと、寄付の 1 枚を出せるかどうかは、別々の話です。

条文が交付義務を書いているのは、適格請求書発行事業者が国内で課税資産の譲渡等を行い、課税事業者である相手から交付を求められたときです(e-Gov 法令検索「消費税法」第 57 条の 4 第 1 項・2026-09-09 確認)。寄付が対価に当たらないなら、この「課税資産の譲渡等」に当たりません。

未登録の団体でも、寄付の 1 枚は作れます。適格請求書にあたらない書面なので、登録の有無に左右されません。

物販やイベントの入場料など、課税取引を別に持っている団体は事情が変わります。登録していなければ、その部分の適格請求書は交付できません。

相手方の控除は経過措置によることになります。控除できる割合は 8 割から 7・5・3 割へ下がります(令和 8 年 10 月 1 日以後に開始する課税期間から適用。国税庁 令和 8 年度税制改正特集・2026-09-09 確認)。

同じ相手からの仕入れでも、税込みで 1 億円を超える部分には、年または事業年度の単位でみて経過措置が及びません(同)。課税の行があるときに消費税相当額を書き添える形は、免税事業者の請求書の書き方が参考になります。

登録番号の話が片づいても、事務局にはもう一つの迷いが残ります。請求書・申込書・受領証のどれを、いつ出すのかです。

請求書・寄附金申込書・受領証の使い分け

募集の段階は申込書、法人から求められたときに請求書、入金後に受領証、という 3 段に分かれます。

  • 募集要項と寄附金申込書で、寄付の申し出を受ける
  • 相手が法人で、社内の支払処理に請求書が要るときに請求書を出す
  • 入金を確認したら、受領証を送る

個人の寄付者には、募集要項と振込先の案内で足りることが多くなります。請求書は、相手の経理から求められて初めて出す書類です。

3 つの書類は、同じ 1 件を指すように言葉をそろえます。件名と品目に同じ年度と使途を書いておけば、後から突き合わせられます。

申込書は寄付の意思を受け取る書面で、請求書は金額と振込先を伝える書面です。役割が違うので、申込書の控えを請求書の代わりに使う形にはしません。

そもそも寄付に請求書は必要?(法人から求められたときに出す1枚)

請求書を出すかどうかを決めているのは、寄付する会社の社内手続きです。

「寄付に請求書は出さないもの」という言い方があります。受け取る側から見れば、たしかに寄付は品物や役務の代金ではありません。

一方、会社が寄付を支出するときは決裁と支払処理を通ります。その根拠として、経理から 1 枚を求めてくることがあります。

発行を一律に義務づける決まりがあるかどうかは、ここでは断定しません。要否は相手の求めと募集要項で決まる、と考えておくのが実務的です。

同じ会社には毎年出すことになります。年度と請求書番号だけを直して使い回す形は、毎月同額の請求書の書き方にある直し方と重なります。

寄付者ごとに宛名が変わるので、複数の会社を 1 枚にまとめる形にはできません。1 社に 1 枚ずつ、宛名と金額を入れ替えて作ります。

よくある質問

Q1. 補助金や助成金も同じ考え方ですか?

通達は、国や地方公共団体等から受ける補助金・助成金のように、特定の政策目的の実現を図るための給付金は資産の譲渡等の対価に該当しない、としています(消費税法基本通達 5-2-15・2026-09-09 確認)。民間の財団などからの助成金はこの通達が名指ししている範囲ではないので、交付元に確認してください。

ただし交付の請求は自治体などの所定様式で行うので、様式の記入要領に従ってください。

Q2. 入金後に受領証を求められたら、但し書きはどう書きますか?

受領証の但し書きには、請求書に書いた品目をそのまま写します。「2026年度 ◯◯事業へのご寄付として」と書けば、請求書と受領証が同じ 1 件を指していると読めます。

但し書きを用途ごとに書き分ける例は領収書の但し書きの書き方にまとまっています。

Q3. 物品で寄付を受けたときはどうしますか?

金銭のやり取りがないので、請求書を出す場面ではありません。受け取った物品の評価額をどう扱うかは、税務署か税理士に確かめてください。

なお寄付した会社の側では、物品を購入して寄附した場合その購入代金は課税仕入れになるとされています(前掲 国税庁 確定申告書等作成コーナー)。

まとめ: 次にやること

  1. 募集要項で、年度・使途・振込期限と、寄付を申し出た会社の宛名を確認する
  2. 品目を「2026年度 ◯◯事業へのご寄付」と書き、消費税額の行は置かずに 1 枚にする
  3. グッズ代など課税の売上があるときは請求書を分け、迷うときは税務署か税理士に確認する

寄付の請求書は、年度と使途を品目に書けば、税の欄を持たない 1 枚として作れます。

宛名と年度だけが違う同じ書式が、寄付してくれた会社の数だけ年に数枚並びます。

手元の選択肢は、去年の PDF を探すか、表計算にひな形を持つか、作成アプリに前年分を残しておくかです。

スイスイ請求は、前年の 1 枚を複製して年度と金額を書き換え、備考に募集要項の該当箇所を入れたまま PDF にできます。

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※ 本記事は一般的な情報の提供を目的としており、税務・法務に関する助言ではありません。寄付が消費税の課税対象になるかを含む個別の課否は、国税庁タックスアンサー・所轄の税務署・税理士等の専門家にご確認ください。